2016年 8月 の投稿一覧

Red Hat Enterprise Linuxの互換性維持

Red Hat Enterprise Linuxでは、アプリケーションソフトウェアの互換性について明確なポリシーを定義し、それに従ってアップデートを提供することでお客様がアップデートを適用しやすくなるよう取り組んでいます。

レッドハットの森若です。

オペレーティングシステムをアップデートをする時、アプリケーションソフトウェアの互換性に問題があるとこの互換性をチェックする必要がでてくるためアップデート作業が困難になってしまいます。Red Hat Enterprise Linuxでは、アプリケーションソフトウェアの互換性について明確なポリシーを定義し、それに従ってアップデートを提供することでお客様がアップデートを適用しやすくなるよう取り組んでいます。

メジャーリリース内の互換性

Red Hat Enterprise Linuxの主要な目標の 1 つは、安定した一貫性のあるランタイム環境をサードパーティアプリケーションへ提供することです。これを実現するために、メジャーリリース内で発行される全てのパッケージアップデートに対して、以下の互換性を維持するよう努めています。

  • アプリケーションバイナリの互換性
  • 設定ファイルの互換性
  • データファイルの互換性

たとえば、Red Hat Enterprise Linux 6.1 から Red Hat Enterprise Linux 6.2 へのパッケージアップデートや、特定の脆弱性を修正するパッケージアップデートは、アプリケーションが標準の Application Binary Interface (ABI) を順守している限りにおいて、その機能を破壊することがないように保守されています。このポリシーと取り組みにより、ほとんどの場合は単純にパッケージの更新を実施してアップデートを完了することができます。

残念ながら完璧な互換性を維持してメンテナンスすることは困難であるため、意図せず互換性が破壊されてしまうケースも発生します。この場合には「リグレッション」と呼ばれてバグ扱いとなり、互換性を回復するための修正が行われます。

実際にリグレッションに対する修正は実施されています。カスタマーポータルにて”regression”などのキーワードで検索すると、一時的にリグレッションが発生し、それを修正したという内容の記事をみつけることができます。皆様がご利用のアプリケーションについて、もしアップデートにより動作が変わるような場合にはサポート窓口までご連絡ください。

メジャーリリース間の互換性

メジャーリリースをまだいだ互換性については、”Application Compatibility Guide”内で定義される「コアライブラリ」と互換性を維持するためのライブラリを2バージョンあとのメジャーリリースまで提供します。

たとえば、Red Hat Enterprise Linux 7のコアライブラリであるlibxml2とlibcを利用したプログラムを作成するとします。将来出荷される “RHEL 8” や “RHEL 9” では異なるバージョンのlibxmlやlibcが採用されるかもしれませんが、その場合であってもRHEL7と互換性を維持するためのライブラリパッケージが提供され、ひきつづき利用することができ、メンテナンスも提供されつづけます。

コアライブラリ以外のライブラリについては、メジャーバージョンが変わったあとの互換性について保証されません。バイナリ形式でソフトウェアを配布したい場合の推奨方式については”Application Compatibility Guide”にまとまっていますのでこちらをご確認ください。

 

関連リンク

Red Hat Network ClassicからRed Hat Subscription Managementへ移行のおねがい

Red Hat Network Classicのサービス提供が2017年7月31日に終了します。この日より後には、RHN Classicはアップデート配信ができなくなります。もしRHN Classicを利用してシステムを登録している場合はこの日までに移行をおねがいいたします。

レッドハットの森若です。

みなさんがRed Hat Enterprise Linuxを利用してアップデートを行う時に、RHEL4までであればup2date、RHEL5以降のバージョンであればyumを利用しているかと思います。このアップデート配信時に利用されるサブスクリプション管理の仕組みが2016年現在は「Red Hat Network Classic(RHN Classic)」と「Red Hat Subscription Management(RHSM)」の2種類存在しています。

この2種類のうちRHN Classicのサービス提供が2017年7月31日に終了します。この日より後には、RHN Classicはアップデート配信ができなくなります。もしRHN Classicを利用してシステムを登録している場合はこの日までに移行をおねがいいたします。

これまでのサブスクリプション管理の変遷

RHN ClassicはRed Hat Enterprise Linuxより以前の2001年から提供されていました。15年ほどの非常に長い期間にわたって利用されていたため、特に仮想化環境への対応や、購入したサブスクリプションとシステムとの対応づけがされないなどの能力不足が目立つようになっています。

2011年から、RHSMという新しいサブスクリプション管理の仕組みの提供が始まりました。具体的にはRed Hat Enterprise Linux 6.1および5.7にsubscription-managerというパッケージが含まれ、新しいサブスクリプション管理の仕組みが利用できるようになりました。

2012年から2013年にかけて、RHSMがデフォルトに切り替えられていきました。RHEL 6.3、RHEL 5.9からは、インストーラで特に何も指定せずに登録した場合はRHN ClassicではなくRHSMを利用して登録されるようになっています。

2014年に出荷されたRHEL7では、(Red Hat Satellite 5を利用している例外的な場合をのぞいて)RHSMのみが利用できます。

Red Hat Subscription Manager とRed Hat Network Classicの比較

機能面で比較すると、RHSMはRHN Classicよりカバーする範囲が狭くなっています。RHN Classicでは、Smart Management アドオンを購入することで追加の管理機能が提供されましたが、RHSMではサブスクリプション管理とコンテンツ配信だけを行うことに特化しています。

RHN Classicをシステム登録だけでなく管理にも利用している場合は、管理ツールの移行もあわせてご検討ください。

Red Hat Subscription Managementと RHN Classicの機能比較

Red Hat Subscription Management

Red Hat Network Classic

システム登録

サブスクリプションの割り当て

コンテンツ配信

設定ファイルの管理

ローカルで実行する必要あり

システムスナップショットの作成

ローカルで実行する必要あり

システムのキックスタート

Satellite 6 または他の管理ツールが実行。

スクリプトの実行

Satellite 6 または他のツールが実行。

どのサブスクリプション管理を利用しているかの確認

現在利用しているシステムがどちらの仕組みで登録されているかを確認しましょう。

管理製品を利用している場合、その製品によりどちらの仕組みを利用しているかが決まります:

  • Red Hat Satellite 5をご利用中の場合、RHN Classicの仕組みで管理されていますがRed Hat Satellite 5のライフサイクル中は影響がありません。通常のサブスクリプションで2018年1月31日までご利用が可能です。

  • Red Hat Satellite 6 または Red Hat Subscription Asset Managerをご利用中の場合、RHSMの仕組みで管理されています。

RHELのバージョンにより決まる場合があります:

  • 「RHEL 4の全てのマイナーリリース、RHEL 5.0から5.6までのマイナーリリース、RHEL6.0」のいずれかを利用している場合はシステム登録にRHN Classicが利用されます。RHEL4にはRHSMへ移行する方法がありません。RHEL5およびRHEL6については最新バージョンへの更新をお勧めいたします。

  • RHEL7を利用している場合、RHSMで管理されています。

どちらも利用可能なRHEL6.2以降、RHEL5.7以降の場合、“yum repolist” のようにyumコマンドを実行します。RHN ClassicおよびRHSMはどちらもyumのプラグインとして呼びだされるので、どのyumプラグインが利用されているかによって判定が可能です。

  • RHN Classicの場合: rhnplugin

  • RHSMの場合: subscription-manager

詳しくは以下のナレッジベースをご確認ください

システムのアップデートに RHN Classic と RHSM のどちらを使用しているかを確認するhttps://access.redhat.com/ja/solutions/1350833

Red Hat Network ClassicからRed Hat Subscription Managementへの移行

現在RHN Classicで登録しているシステムをRHSMへ移行するためのツールを提供しています。詳しくは以下「第12章 RHN Classic からのシステム移行」をごらんください。

https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Subscription_Management/1.0/html/Subscription_Management_Guide/rhn-migration.html

Red Hat Enterprise Linux for Virtual DatacenterのようなゲストOSとしてRHELを無制限に利用できるサブスクリプションを利用している場合、virt-whoによるハイパーバイザの登録が必要です

参考文献