Cloud Access(クラウドアクセス)とは
クラウドリフトをお考えのお客様必見のプログラムです。
Red Hat Cloud Access とは、単体で購入する製品ではなく、お客様が購入された Red Hat Enterprise Linux(RHEL)などのサブスクリプションを、Red Hat が認定したパブリッククラウド環境に持ち込んで利用できる権利(サブスクリプションの特典)です。いわゆる BYOS(Bring Your Own Subscription) にあたります。
サブスクリプションを認定クラウドへ移した後も、サポートをはじめとするサブスクリプションの特典はそのまま維持されます。
なお、サイオステクノロジーが取り扱う製品のうち、レッドハット社が直接サポートを提供するサブスクリプション契約に Cloud Access が付帯します。対象製品・持ち込み先には制限がありますので、後述の条件をご確認ください。
メリット
- 既存の RHEL 資産をそのままクラウドへ持ち込める
クラウドリフトで AWS / Microsoft Azure / Google Cloud などへ移行する際、クラウド事業者から RHEL を新たに調達し直す必要がありません。 - サポート窓口が変わらない
クラウドに持ち込んだ RHEL の運用はオンプレミス時と同様にお客様運用となり、Red Hat 社のサポートを引き続き受けられます。 - 運用ナレッジを引き継げる
RHEL を含む既存の運用手順・監視・パッチ適用のナレッジをそのままクラウドへ持ち込めます。 - 価格条件が変わらない
Cloud Access を利用してクラウドへ移行しても、Red Hat サブスクリプションの契約条件・価格は変更されません。マーケットプレイスの時間課金/月額課金イメージと比べ、コストが読みやすいのが特徴です。
対象となる製品
Cloud Access(BYOS)の対象は RHEL だけではありません。Red Hat の主要製品の多くが対象となります。
- Red Hat Enterprise Linux Server(Red Hat Enterprise Linux for SAP Solutions を含む)
- Red Hat OpenShift Container Platform
- Red Hat Middleware(JBoss EAP など)
- Red Hat OpenShift Data Foundation
- Red Hat Ceph Storage
- Red Hat OpenStack Platform
- Red Hat Enterprise Linux Developer サブスクリプション
上記は代表例であり、対象製品は随時見直されます。最新の対象範囲は「Red Hat Cloud Access リファレンスガイド」をご確認ください。
持ち込み先となるクラウド(CCSP)
持ち込み先は、Red Hat 認定クラウド&サービスプロバイダー(CCSP:Certified Cloud and Service Provider) に限られます。CCSP は、パブリッククラウドやマネージドサービス基盤上で Red Hat 製品を動作させることを Red Hat が認定した事業者です。
- 認定済みのクラウド事業者・製品の組み合わせ:Red Hat Ecosystem Catalog(cloud)
Alibaba Cloud、AWS、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure などが掲載されています。 - 国内事業者の確認:Red Hat 日本パートナー一覧
この中で「認定クラウド&サービスプロバイダー(CCSP)」として記載されている企業のうち、持ち込み利用の認定をレッドハット社と取り交わしている事業者が対象となります。
国内クラウドをご利用の場合のご注意
サービス提供方式がベアメタルであっても、クラウド事業者所有のハイパーバイザーで仮想化された環境である場合は、クラウド事業者とレッドハット社の間で持ち込み利用に関する取り交わしが別途必要です。持ち込みの可否および具体的な手順は、必ず利用予定のクラウド&サービスプロバイダーへご確認ください。
【変更点】事前の登録・有効化は原則不要になりました
旧版の本記事では「Cloud Access を利用するには Red Hat の承認が必要」と記載していましたが、現在は運用が変わっています。
原則として、クラウドでサブスクリプションを使用するために Cloud Access への登録やサブスクリプションの有効化を行う必要はありません。
ただし、次のケースでは Red Hat 側でのクラウドアカウント連携(登録)が必要です。
| ケース | 事前の連携・登録 |
|---|---|
| 自作イメージ(カスタムイメージ)を持ち込んで BYOS 利用する | 不要 |
| Cloud Access ゴールドイメージを利用する | 必要 |
| Azure Hybrid Benefit for Linux を利用する | 必要 |
ゴールドイメージと PAYG イメージの違い
クラウド上で RHEL を動かす方法には、大きく分けて「持ち込み(BYOS)」と「従量課金(PAYG)」があります。混同されやすいポイントなので整理します。
| Cloud Access ゴールドイメージ | PAYG(従量課金)イメージ | |
|---|---|---|
| 位置づけ | BYOS 用の Red Hat 提供 VM イメージ | クラウド事業者から購入する従量課金イメージ |
| 購入元 | サブスクリプションは Red Hat/販売パートナーから | クラウド事業者から直接 |
| サブスクリプション料金 | イメージに含まれない(別途保有が必要) | イメージの料金に組み込み済み |
| 課金 | サブスクリプション契約に準拠 | 時間/月/年など柔軟 |
| 更新(リポジトリ) | プロバイダーにより RHUI / RHSM / Satellite | 原則 RHUI |
| サポート窓口 | Red Hat | クラウド事業者 |
ゴールドイメージの提供リージョン
AWS EC2 の商用リージョン(GovCloud・中国を除く)、Azure の商用および政府機関向けリージョン(中国を除く)、Google Cloud の商用リージョンで利用できます。
イメージの更新について
- お客様がクラウドへアップロードした独自イメージは、お客様側で更新の責任を負います。RHSM に直接接続する方法、または Red Hat Satellite 経由の方法を引き続きご利用いただけます。
- ゴールドイメージの更新元はクラウド事業者ごとに異なります。AWS は既定で EC2 内部の RHUI を参照、Azure は RHEL 8.4 以降のゴールドイメージが既定で RHUI を参照(8.3 以前は RHSM または Satellite が必要)、Google Cloud は RHUI 非対応のため RHSM または Satellite を使用します。
二重請求について
Simple Content Access(SCA)とサブスクリプションサービス(Subscription Watch)により、PAYG イメージから作成したインスタンスに保有済みのサブスクリプションを紐付けても、二重に料金が発生することはありません。
クラウドアカウントを Red Hat に連携する手順
ゴールドイメージの利用など、連携が必要な場合の手順です。
- Red Hat カスタマーポータルの Cloud Access ユーザーインターフェイス へアクセスし、Red Hat アカウントでサインインします。(Red Hat Hybrid Cloud Console でクラウドソースを作成する方法でも連携できます)
- 新規の場合は Enable a new provider をクリックしてプロバイダーを追加します。
- ドロップダウンから認定プロバイダーを選択し、プロバイダーのアカウント情報(AWS アカウント ID、Azure サブスクリプション ID など)と、利用予定の製品ごとのエンタイトルメント数を入力します。
- Enable をクリックします。
詳細は Red Hat Customer Portal のRed Hat Cloud Access リファレンスガイドをご参照ください。
サポート窓口の考え方
- Red Hat 製品に関する事象 → Red Hat サポートが直接対応します。
- クラウド基盤・クラウドサービスに関する事象(イメージのインポートツールを含む) → 利用中のクラウド事業者が対応します。
- ハードウェアベンダー経由で Red Hat サブスクリプションを購入している場合 → 引き続きハードウェアベンダーがサポート窓口となります。
利用にあたっての注意事項
- OEM 版サブスクリプションの取り扱い
一部の Red Hat OEM パートナーは、Cloud Access の BYOS ユースケースにおいて一次サポートの提供が認められています。OEM 版をお持ちの場合は、持ち込みの可否を購入元のハードウェアベンダーへご確認ください。 - CCSP 以外のクラウドで使う場合
利用自体は可能ですが、問題の切り分けにあたって Red Hat から当該クラウド事業者への問い合わせを依頼される場合があります。詳細は「サードパーティープラットフォームに対する Red Hat のサポート」をご参照ください。 - ベアメタルサービスでの利用
認定ハードウェアプラットフォーム上のサービスであれば、パブリッククラウドのベアメタルサービスでも RHEL および他の Red Hat 製品をご利用いただけます。認定状況は認定ハードウェアカタログでご確認ください。 - 政府機関向けクラウド
Confirmed Stateside Support 付きのサブスクリプションを購入されている場合、AWS GovCloud への移行が可能です(ただし GovCloud ではゴールドイメージは提供されません)。Azure Government(米国)、Azure Germany、Azure China も対象です(Azure China ではゴールドイメージは提供されません)。 - インスタンスの識別
現時点で AWS、Microsoft Azure、Google Compute Engine 上の仮想システムは、RHSM 登録時にプロバイダーを識別できるメタデータを提示します。その他の CCSP については順次対応が拡大されています。
参考リンク
- Red Hat Cloud Access リファレンスガイド(日本語)
- Red Hat Cloud Access のよくある質問(日本語)
- Red Hat Cloud Access 製品ページ
- Red Hat Ecosystem Catalog(認定クラウド一覧)
- Red Hat 日本パートナー一覧
- サイオステクノロジー FAQ【P-01】Cloud Access とは何ですか
Cloud Access の適用可否や、クラウドリフトに伴うサブスクリプションの棚卸しについては、サイオステクノロジーまでお気軽にご相談ください。