Red Hat Insights とは
レッドハットの森若です。
Red Hat InsightsはRed Hat Enterprise Linux について、重要な問題の発見、調査、解決を支援するためのサービスです。執筆時点ではRHELを使っているお客様ごとにそれぞれ10台まで無償で登録することができます。11台以上の登録については、現在はEarly Access Programとして一部のお客様に試していただいている段階ですが、将来的には有償サービスとして一般へ展開予定です。
Red Hat Insights はRHEL 6以降で提供される redhat-access-insights パッケージと、Red Hatカスタマーポータル内のサービスの組み合わせで実現されています。
各RHELにredhat-access-insights パッケージを導入し、定期的に構成情報や現在動作しているサービスなどの情報をRed Hatカスタマーポータルへ送付します。送付された情報はルールに基いて自動的に評価され、レポートを表示します。このルールは、サポートへのお問い合わせが多い問題や、重大な脆弱性についての情報を元に作成されていています。
https://access.redhat.com/insights/ にアクセスしてレポートを確認できます。
レポートには発見された問題(らしきもの)のカテゴリと重大度による分類が表示され、それぞれの問題について詳細が確認できます。既知の脆弱性、複数の設定間の齟齬、既知の問題がある設定などを検出します。それぞれの問題について、問題の説明、対応方法、関連するナレッジベースの記事を確認できます。
Red Hatでは継続的にルールを開発・更新しています。Red Hat Insightのレポートをメールで送信する設定があり、有効にすると週次で新規に発見された問題や、登録されたシステムの更新状況を受信できます。
筆者も実際に古いRHEL6の仮想マシンを登録してみたところ、208.5日問題をはじめとしていくつかの問題の指摘を確認できました。
インターネット接続が許されていない環境のRHELについても、Red Hat Satelliteをプロキシーとして動作させることで多くの場合に対応が可能です。この場合Red Hat Satelliteはカスタマーポータルへの接続が必要です。
参考資料
https://access.redhat.com/insights/getting-started/ 「Red Hat Insights はじめに」