サイオステクノロジーにてRed Hat製品のマーケティング・プリセールスを担当している村田です。
2023年5月23日〜25日に開催されたRed Hat Summit 2023において発表された新たな発表を数回にわけてまとめていきたいと思います。今回は3回目として、Red Hat Developer Hub、Red Hat Service Interconnectに続いて発表された「Ansible Lightspeed」をお伝えします。速報でも紹介をしましたが、本記事ではもう少しこのLightspeedについて発表された内容をまとめていきます。
Ansible Lightspeed
今回のRed Hat Summit 2023のキーノートのオープニングより、現在は転換期にあり、それはAIが中心に起こるという話題から始まっています。そのテクノロジーの転換期の中で取り上げられた一つがこの「Ansible Lightspeed」になります。
Ansible LightspeedはIBM Watson Code Assistantをベースに開発されており、Ansible Playbookのコードを生成AIにより支援するソリューションとしてVisual Studio Codeの拡張機能として統合される形でリリース準備が進められています。(リリースは2023年後半の計画)
Ansible LightspeedのデモはAnsible Fest で行われた内容が具体的でわかり易い内容でしたので下記に紹介致します。
実際に公開されたデモでは、Visual Studio Codeを利用して、Azure上へのVMマシンの作成を行うPlaybookを記述する内容から始まりました。
tasks以下の名前を入力する ”-name:”の内容をAnsible Lightspeedが読み取り、生成AIがコードの提案を出してくれ、承認するとコードが実際に記述される内容で行われていました。Visual Studio Codeに拡張機能としてドキュメントの内容も統合されているため、ドキュメントを切り替えたりする手間もなく、Visual Studio Codeに集中して利用することができます。
また、作成したコードについては、Ansible Lightspeedでは引用元の情報ソースも表示できるため、信用出来る情報源かどうかも把握できるように作成されていると発表されています。
Ansible Fest Keynote “The automation moment—and beyond”
Ansible Fest のKeynoteでもLightspeedに関する情報も発信され、IBM Chief ScientistのRuchir Puri氏が講演された内容で印象的な発信がありました。
IBMでは、およそ220,000人の従業員が所属しCIOチームには多数の開発者が所属しています。その数はおよそ12,000人です。IBM Watson Code AssistantとAnsible Lightspeed を開発していたため、CIOチームはAnsibleの大規模ユーザーでもあります。
他の企業と同様に、スキルギャップに苦しんでいる状況があります。彼らは多くの開発者を採用していますが、そのスキルギャップに苦労しています。多くの開発者をオンボーディングしている中で、Ansible Lightspeedの価値を証明する絶好の機会として、パイロットとして導入しました。
Ansibleの初心者であるオンボーディングチームがAnsible Lightspeedを利用して60%のコードを自動的に生成することができたと発表がされています。
今回のRed Hat Summit 2023では、Ansibleに関する発表が大きなインパクトをもって発表されており、改めて自動化の利用が生成AIにより次のステージに進もうとしているのがわかりました。
この自動化の波に乗り遅れることはデジタルビジネスの中での遅れを取ることにも繋がる状況が生まれる可能性があります。ぜひこのタイミングで改めて自動化の導入について検討をいただくことをお勧めしたいと思います。