RHELで新しいgitやPython3を使うには?

現在のRed Hat Enterprise Linux 7ではgitのバージョンは1.8.3です。「もっと新しいバージョンのgitが使いたい!」という方も多いかと思います。このような場合に利用できる Red Hat Software Collectionsをご紹介します。

Red Hat Software Collections

RHEL上でソフトウェア開発をおこなう時に、 「Red Hat Enterprise Linuxに含まれるバージョンが古くて都合が悪い」ということは往々にして発生します。たとえばRHEL 7にはまだPython 3.xは含まれていませんし、gccのバージョンも4.8です。

このような場合に役にたつのがRed Hat Software Collectionsで、RHELのライフサイクルとは独立したライフサイクルでRHEL上で利用できる追加のソフトウェア群を提供します。これはRHELとは異なり最大3年(一部2年)のサポート期間ですが比較的最近のソフトウェアを利用できること、RHELの既存パッケージと競合しないよう工夫してパッケージされていることが特徴です。

Red Hat Software Collectionsについては2年ほど前に「Red Hat Software Collections 2.0 とは」という記事でもご紹介しているのですが、この2年の間に2.1, 2.2, 2.3とバージョンが新しくなってきたのであらためてご紹介します。

Red Hat Software Collections 2.3

Red Hat Software Collections 2.3 ではあたらしく以下のソフトウェアが提供されます。

  • Red Hat Developer Toolset 6.0
    • GCC 6.2.1
    • binutils 2.27
    • elfutils 0.167
    • GDB 7.12
    • strace 4.12
    • SystemTap 3.0
    • Valgrind 3.12.0
    • Dyninst 9.2.0
  • Eclipse 4.6.1
  • Git 2.9.3
  • Redis 3.2.4
  • Perl 5.24.0
  • PHP 5.6.25
  • PHP 7.0.10
  • Python 3.5.1
  • MongoDB 3.2.10
  • MySQL 5.7.16
  • Ruby 2.3.1
  • Thermostat 1.6.4
  • Common Java Packages 1.1

 

完全な一覧表はこちらで確認できます。 https://access.redhat.com/documentation/en-US/Red_Hat_Software_Collections/2/html/2.3_Release_Notes/chap-RHSCL.html#tabl-RHSCL-Components-all

RHSCL 2.0 サポート期限のご注意

過去にRed Hat Software Collections 2.0をご利用の方は、Developer Toolset 4についてはあと半年ほど、それ以外のパッケージをご利用の場合はあと1年ほどでサポートが終了します。この機会にご利用のパッケージをご確認ください。

Red Hat Software Collections パッケージ毎のサポート期限 は以下ページで確認できます