サイオステクノロジーにてRed Hat製品のマーケティング・プリセールスを担当している村田です。
2023年5月23日〜25日に開催されたRed Hat Summit 2023において発表された新たな発表を数回にわけてまとめていきたいと思います。今回は2回目として、Red Hat Developer Hubに続いて発表された「Red Hat Service Interconnect」をお伝えします。
Red Hat Service Interconnect
Red Hat Service Interconnectは、skupper.ioプロジェクト (https://skupper.io/)のエンタープライズ版として提供されるアプリケーション間の接続を簡素化するソリューションです。
Red Hat Summit 2023のキーノートでは、アプリケーションは単一で存在するものではなく、他のサービスと連携する必要があり、これは常に画題になっている。そして、それは分散型アプリケーションがハイブリッドクラウド上で拡大するにつれて、重要性は増している事を指摘しています。
開発者はコンテナ化されたアプリケーションやクラウドネイティブアプリケーションをお互いに素早く接続する必要がある、そして適切なセキュリティとコンプライアンス管理を維持しながら、それを実現する必要があります。
しかし、開発者の多くはネットワークエンジニアではありません、だからこそアップストリームのskupper.io プロジェクトで構成されたRed Hat Service Interconnectを発表したと語られました。
Red Hat Service Interconnectを利用することで、開発者はソフトウェア開発ライフサイクルの初期段階から組織の特定のセキュリティとコンプライアンス・コントロールを遵守しながら、分散アプリケーション間の接続を構築できるようにします。
従来のアプリケーションとKubernetes ベースのアプリケーションの両方が効果的にロケーションレス化されます。
パブリッククラウド、プライベートクラウド、データセンターからエッジまで、アプリケーションのロケーションを問わず、開発者のイノベーションへの集中を維持することを可能にします。
skupperプロジェクトの技術を利用していることを想定すると、Red Hat Service Interconnectはレイヤー7を拡張し、仮想アプリケーション ネットワーク (VAN) と呼ばれるものを通じて、マルチクラスター通信の課題を解決する技術になるものと考えられます。
今後ますます複雑化するアプリケーション間の接続をサポートしてくれる製品となるため、登場によりアプリケーション接続の複雑化に悩まされている企業には良いソリューションとなるのではないかと思います。製品の詳細についても今後の発信が待ち遠しい技術になります。
Red Hat Service Interconnect
https://www.redhat.com/en/technologies/cloud-computing/service-interconnect
skupper
skupper プロジェクトのサイトでは、Multicloud communication for Kubernetesとして紹介されており、レイヤー 7 サービス相互接続により、VPN や特別なファイアウォール ルールを使用せずに、Kubernetes クラスター間で安全な通信を可能にするソリューションとなります。
Skupper を使用すると、アプリケーションは複数のクラウド プロバイダー、データ センター、リージョンにまたがることができます。
skupperの概要については下記URLを参照ください。
https://skupper.io/docs/overview/index.html