ELS? EUS? RHELの延長サポート製品について知ろう

投稿者: | 2016年10月20日
Red Hat Enterprise Linuxはメジャーリリースについては通常7年または10年間、アップデートリリースに対しては最新版のみに対して修正を出荷しています。今回はこのポリシーを拡張する製品、ELSおよびEUSについて見てみましょう。

レッドハットの森若です。今回はRHELの延長サポート製品についてご紹介します。

Red Hat Enterprise Linuxのリリース

RHELのサポート期限について説明する前に、リリースについて簡単に紹介します。2種類のリリースがあります。

  • メジャーリリース (RHEL X)

例: RHEL4, RHEL5, RHEL6

変更点: 基本的に別の製品(アップグレードは可能)

頻度: およそ3年に1回メジャーリリースを出荷する

  • アップデートリリース (RHEL X.Y) (マイナーリリースとも言う)

例: RHEL5.11, RHEL6.7, RHEL7.1

変更点: 新規パッケージの追加や機能拡張を含む。基本的に互換を維持する。

頻度: およそ6ヶ月から8ヶ月に1回アップデートリリースを出荷する

メジャーリリースが出荷されてから、RHEL4では7年、RHEL5以降では10年の間、修正が提供されます。この期間内でProduction 1,2,3 と徐々にフェーズを変えておりポリシーに従って提供する修正の範囲を徐々に狭めています Production 3終了後は、既存ナレッジを元にした電話およびWebでの問い合わせ対応は受けつけるものの新規に修正を提供しないExtended Life cycle Phase(ELP)期間がはじまります。ELPの終了時期は未定です。

メジャーリリースのサポート延長 ELS

このメジャーリリースについて、修正提供をする期間を延長するのがExtended Lifecycle Support(ELS)です。これはアドオン製品で、基本的にProduction3終了後に3年間提供されます。

影響度「重大」のセキュリティー修正と優先度「緊急」の一部のバグ修正が提供されますが、ハードウェア対応または根本原因の分析などは提供されず、サポート対象はインストール済みの既存システムに限定されます。 基本的にはELSは諸処の都合でどうしてもシステム更新ができない場合のための緊急避難です。通常の運用計画ではProduction 3までの期間内での利用をお勧めします。

ELSは通常のサポートと比べると制限が厳しく、サポートされるパッケージやアーキテクチャが限定されています。RHEL3,4についてはサポート対象外となるパッケージが決まっていますRHEL5についてはELSの出荷自体は発表されましたが、パッケージなどは未定です。

通常のアップデートリリースへの修正提供

通常のRHELでは、新しいアップデートリリースが出荷されると今までのアップデートリリースへの修正の提供は終了します。

たとえばRHEL6.7が出荷されると、RHEL6.6までのバージョン用の修正は出荷されなくなります。利用することそのものや、質問対応は問題ありま せんが、修正による対応ができないため「どうしてもRHEL6.5である必要があるけれど、RHEL6.7で修正された問題Xにも対応したい」というよう な場合にはうまい解決策がありませんでした。

Red Hatの対応のようすをあらわしたのが下の図です。RHEL6.0が出荷されたあとRed Hatのエンジニアリング部門が問題を修正します。6.0はサポート期間中なのでバックポートと呼ばれる修正の移植をおこなって出荷します。同時にQA中 で出荷前の6.1にも修正をとりこみます。このようにして現在サポート対象のバージョンと、今後出荷されていくバージョンのどちらでも不具合が修正されて いるように維持していきます。

アップデートリリースのサポート延長 EUS

アップデートリリースに対して「出荷されてから24ヶ月」修正提供を維持するのがExtended Update Support(EUS)です。これはアドオン製品なのですが、24時間365日のプレミアム製品にはEUSが同梱されるように2013年の購入ポリシー 改訂時に変更されました。現在は過渡期なので購入のタイミングや型番によってプレミアムでもEUSが利用できるケースと利用できないケースが混在していま す。

EUSを利用して「アップデート実施回数の削減」が可能になります。

EUSは特定のアップデートリリースにのみ出荷されます。RHEL5であれば「5.2、5.3、5.4、5.6、5.9」に提供されていました。RHEL6では、Production 1期間中のアップデートリリースと決められており、EUSが提供されるのは6.7までのアップデートリリースで、2016年出荷見込みのRHEL6.8からはEUS提供がありません。

延長された期間について、「重大」および一部の「重要」に分類されるセキュリティ問題またはお客様へのインパクトが大きなバグの修正が提供されます。

EUSでカバーされるパッケージのリストが以下に記載されています。

http://www.redhat.com/en/about/redhatenterpriselinuxextendedupdatesupporteuspackageinclusionlist

EUS期間のRed Hatの対応のようすをあらわしたのが下の図です。RHEL6.3サポート期間中に重大な問題が修正された例ですと、EUS期間中であるRHEL6.1 EUS, RHEL6.2 EUSに対して修正をバックポートし、提供します。

 

過去のEUSパッケージへのアクセス

何らかの事情で、過去にEUSご購入のお客様向けに提供されたパッケージが必要なケースがあるかもしれません。このような場合、EUSアドオンを購入すると過去のEUSパッケージへもアクセスが可能です。

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